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千葉地方裁判所木更津支部 平成4年(ヲ)51号 決定 1992年7月29日

申立人

株式会社X

右代表者代表取締役

右代理人弁護士

林彰久

池袋恒明

今井和男

古賀政治

木村裕

高城俊朗

古内眞也

相手方

株式会社Y

右代表者代表取締役

右代理人弁護士

千葉隆一

別紙物件目録記載の不動産に対する平成三年(ケ)第三六号不動産競売事件につき、買受人である申立人から保全処分命令の申立てがあったので、これを相当と認め、買受申出代金二〇八億円を納付させたうえで、次のとおり決定する。

主文

1  相手方の別紙物件目録≪省略≫記載の不動産(以下、本件不動産という。)に対する占有を解いて、千葉地方裁判所木更津支部執行官に保管を命ずる。

執行官は、その保管にかかることを公示するために適当な方法をとらなければならない。

2  執行官は、平成四年七月三一日までの間、本件不動産の現状を変更しないことを条件とし、且つ平成四年七月二日現在の会員名簿に登録されているaカントリー倶楽部の会員及び上記倶楽部に正規の利用手続をとった者に対してのみゴルフプレーをさせることを限度として、相手方に本件不動産の使用を許し、また第3項②記載の者が同項記載の行為をさせることを限度として同項②記載の者に本件不動産の使用を許さなければならない。

3  執行官は、平成四年八月一日から本件不動産の引渡命令が執行されるまでの間、本件不動産の現状を著しく変更しないことを条件とし、且つ本件不動産の芝刈り、散水、雑草の除去、農薬散布、肥料撒き並びに目土入れなどゴルフ場施設の維持に必要な保存行為を行うこと及び本件不動産内の秩序維持のために必要な行為を行うことを目的として、以下の者に本件不動産の使用を許さなければならない。

①  平成四年六月二九日現在aカントリー倶楽部において勤務していた相手方の従業員で、且つ申立人が指定した者(同日後に相手方を退職したものを含む。)

②  申立人の取締役及び従業員(申立外b株式会社からの出向者を含む。)

4  相手方は、平成四年七月三一日までの間、平成四年六月二九日現在aカントリー倶楽部において勤務していた従業員以外の第三者を本件不動産に立ち入らせてはならない(但し、第2項記載の会員及び上記倶楽部の正規の利用手続をとった者がゴルフプレーをするための立ち入り、並びに前項②記載の者が前項記載の行為を行うための立ち入りを除く)。

5  相手方は、同年八月一日から本件不動産の引渡命令が執行されるまでの間、第3項①及び②記載以外の者を本件不動産に立ち入らせてはならない。

6  執行官は、第3項記載の使用許可の限度で、本件不動産について保存行為及び秩序維持に必要な行為(鉄柵、鉄扉などの設置を含む)を行うことができる。

7  相手方は、第3項記載の者が同項記載の使用許可の限度で本件不動産に立ち入り、且つ前項の保存行為・警備行為を行うことを妨害してはならない。

8  相手方は、平成四年七月二日現在本件不動産上に存在していた動産、工作物以外の動産、工作物その他の物を本件不動産内に持ち込みまたは設置し、その他本件不動産の価値を下落させ、現状を変更するような行為をしてはならない。

9  相手方は、本件不動産の引渡命令が執行されるまでの間、本件不動産上に存在している動産及び工作物を現状のまま本件不動産内で保管することができる。

(裁判官 安藤宗之)

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